はじめに
この記事はそろばんをこどもと一緒に勉強したい方に読んでいただきたいと思い書いています。
前回の続きをやっていきましょう。
前回のメニューを理解できましたか?
まだ見ていない方はこちらをのぞいてみて下さい。
焦らずゆっくりやろうね。
今回は足し算の繰り上がりをこどもに理解してもらいます。
ここでのコツは細かい事は気にしないで暗記をしてしまうのが一番楽です。
大変だけど暗記するだけだから誰でも教えられるよ。
あと、ここでやる事が出来るようになったら出来る簡単な問題集があります。
後々も使えるので買ってみて下さい。
日本珠算連盟 暗算7~10級の問題集です。
暗算の問題集ですが、桁が少ないのでそろばんの入門にちょうどいいです。
足し算しかないですけどね。
上の問題集を買うついでにこちらの2冊もついでに買ってみてください。
一冊ごとに買っていると送料がその度かかってしまうからね。
全珠連の珠算10級は商工会の試験ではないものの、日商・日珠連の珠算9~10級に行く前の練習問題にちょうどいいレベルなので使いやすい問題集です。
日商・日珠連の珠算9~10級の問題集は最初の試験の目標となるので一緒に買ってみてください。
買ったらどんな感じか見る事が出来ます。
では、やっていきましょう。
足し算の繰り上げを覚える
ここでは繰り上げる事を覚えます。
やり方について、何でこうなるのかとかは考えなくていいです。
とにかく暗記して指で覚えてしまった方が上達が早く進めます。
ここからは今までと違って少し難しくなるからじっくりやってね。
5に繰り上げる。
今までの足し算はただ珠を増やして行くだけでできましたね。
今回から繰り上げのやり方を理解させましょう。
まずは、1+4という問題を投げかけてみて下さい。
今までのやり方しか知らない子はできないよね。
1+4だと一の部屋の下の段が溢れて珠が入らなくなってしまいます。
こういったパターンの時に、今から書いてあることを覚えて下さい。
これは、僕がこどもの頃にそろばん教室で教えてもらった事です。
うちの子供には「じゅもん」と呼んで教えました。
これは、僕のなりの楽しく教える言い回しのつもりで使っていましたが、こういう所で気を引くワードを入れてあげるとやる気を出してくれる事があります。
なので、こどもによってやる気の出るワードが異なると思うので、いろんな場面で気を引けそうなその子に合うワードを使ってみてください。
ここではじゅもんで進めるよ
では、伝授します。
じゅもん1
たす1は5たして4ひく
たす2は5たして3ひく
たす3は5たして2ひく
たす4は5たして1ひく
これを覚えます。
これを覚える事で今まで出来なかった計算が出来るようになるのです。
この「じゅもん」を見ながら、先ほどの1+4をやらせてみて下さい。
まずは、そろばんに1を置きます。
次に+4だからいつものように4個珠を増やします。
ですが、一の部屋に4個珠を置くスペースが無くて出来ないはずです。
0にリセットしてやり直してみよう。
ここで「じゅもん」を使います。
1+4なので、最初に1を入れてから「たす4は5たして1ひく」をちゃんと声に出して唱えながらやってみて下さい。
答え、5が出来たはずです。
このじゅもんは、たすと一の部屋からあふれてしまい、なおかつ5珠が上がっている時に使います。
じゅもんは使えましたか?
暗記する
このじゅもんを暗記するまで練習します。
上の文を紙に書くか印刷して何回も声に出して読ませてみて下さい。
何となくわかってきたら、そろばんで問題をやっていきます。
また、紙に問題を書いてみて下さい。
(5以下の数字)+(5以下の数字)=(5以上の数字)
になるようにしてください。
例 1+4=5 2+3=5 2+4=6 など
慣れてきたら前回の繰り上げ無しの問題も混ぜてみるのもいいです。
最初はじゅもんを見ながらやって、慣れてきたら見ないでやってみようね。
10に繰り上げる。
まずは、1+9という問題を投げかけてみて下さい。
1+9だと一の部屋に入りきらず溢れて入らなくなってしまいます。
こういったパターンの時に、今から書いてあることを覚えて下さい。
少し多いからがんばってね。
じゅもん2
たす1は9ひいて10たす
たす2は8ひいて10たす
たす3は7ひいて10たす
たす4は6ひいて10たす
たす5は5ひいて10たす
たす6は4ひいて10たす
たす7は3ひいて10たす
たす8は2ひいて10たす
たす9は1ひいて10たす
このじゅもんを使って先ほどの1+9をやってみてください。
答え、10が出来たはずです。
このじゅもんは、たすと一の部屋からあふれてしまい、なおかつじゅもんのひく数の珠がそのままの形で一の部屋にあった場合に使います。
今までと同じように紙に問題を書いてやってみて下さい。
(1~9の数字)+(1~9の数字)=(10以上の数字)
の式に当てはめて問題を作ります。
もしくは、先ほど教えた暗算の問題をやらせてみてください。
答えは問題集に直接書かずに、他の紙かノートに書いて下さい。
覚えるまで何回も繰り返すよ。
ただ、ここで注意点があります。
少しわかりにくいかもしれませんが、
1+9
の時のじゅもんは
たす9は1ひいて10たす
です。
一の部屋に1がそのままの形であるので、このじゅもんは成り立ちます。
ですが、
5+9の場合
たす9は1ひいて10たす
をやろうとすると、1の部屋には5の珠はありますが、下の段には珠がないので、このままでは1ひいてができません。
ですから、上の式の (1~9の数字)+(1~9の数字)=(10以上の数字) にあてはめても、じゅもん2では出来ない問題がでてきます。
このパターンの時にはじゅもん3が必要になってきます。
なので、「じゅもん2」用と「じゅもん3」用の問題を分けて作るのが大変な場合は、上の式で適当に作って、できない問題があったら飛ばしておけばいいです。
出来ない問題は「じゅもん3」をやる時にやるようにしてください。
しっかりとじゅもんを声に出しながらやってね。
じゅもん3
たす6は1たして5ひいて10たす
たす7は2たして5ひいて10たす
たす8は3たして5ひいて10たす
たす9は4たして5ひいて10たす
このじゅもんを使って先ほどの5+9をやってみてください。
答え、14が出来たはずです。
これを練習すれば足し算の繰り上がりは理解できます。
暗記が出来るように声を出して練習してください。
これで足し算のじゅもんは全部教えたよ。
足し算のやり方仕上げ
ここまでできるようになったら、後は慣れるだけです。
暗記して繰り返して体で覚えてしまいましょう。
はじめに書いた問題集をやってみて下さい。
このとき直接答えを書かせないで、ノートに表を作って答えを書かせるようにすれば繰り返し問題集を使えます。
ここまで覚えたらほめてあげてね。
55たしざん
1~10までの数字を使って練習します。
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=55
1+3+5+7+9+2+4+6+8+10=55
のように、1~10までの数字を1回ずつ使い入れ替えて問題を何個か作って下さい。
この問題のいいところは、問題を作る方も楽だし、答えが必ず55になるって決まっているので、答え合わせが手返し良くできます。
それに、並べ方次第でじゅもんの練習をランダムにいろいろできるのもいいです。
慣れてきたらこどもだけでも練習できます。
これを必ず声を出しながらやってね。
ずっと使える
55たしざんは、ぼくが小学校の時の暇な時に、遊び感覚でやっていました。
いま思うとすごく合理的な練習だと思います。
級が上がって上達してきても役に立つのです。
級が上がってくると、早く計算ができるようになりたくなります。
そこでこれをタイムを計ってやりましょう。
先ほどいった通り、答えが決まっているので手返しよくひたすらできます。
物足りなくなってきたら10まで足していたのを20まで増やしたり、アレンジして使ってみてください。
競争したり楽しくできるよ。
準備運動に使える
練習前や試験前の準備運動として役立ちます。
特に試験前の会場での待ち時間にはこれをやっているのです。
会場に問題を持ち込んでいるより、これをやっていた方が指が動くようになって効率がいいですよ。
足し算の繰り上がり 完了
足し算の繰り上がりはこんな感じで教えてきました。
細かく説明するとゴチャゴチャしてしまうのでとにかく暗記をしてください。
ある程度出来るようになったら次のステップに行きましょう。
引き算の繰り下がりじゅもん編となります。
まとめ
今回は足し算の繰り上がりをこどもに理解してもらいまいました。
繰り返しになりますが、ここでのコツは細かい事は気にしないで暗記をしてしまうのが一番楽です。
ここは足し算の大事な所です。
ここをしっかりと理解できると、どんな足し算も出来るようになってしまいます。
とにかく、指を動かしながら声を出して、指と頭に叩き込んで下さい。
確実に暗記しましょう。
少し難しくなってきましたので、ゆっくり進めてください。
読んでいただきありがとうございました。
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