はじめに
この記事は堆肥を作ったり使ったりする事に興味のある人に読んでいただきたいと思って書いてみました。
今回は発酵についての事です。
僕は今までに何パターンか堆肥を作ったことがあります。
今までは堆肥についての細かな知識を調べたりすることはなく、作り方ばかりを調べて作っていました。
それでも、堆肥は出来たのです。
僕が作ってきた堆肥の記事
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今までゴミだった雑草で雑草堆肥を作ってみたよ 簡単に細かい事は気にしないでやった記録 | わがやのはなしブログ (wagayanohanashi.com)
僕は、何事もとりあえずやってみて、それが出来そうだったら掘り進めていくやり方をしているよ。
このことで、自分にも堆肥を作る事が出来る事がわかったので、今度は堆肥についての勉強をしてみました。
これを知っていて使ったり作るのと、知らないで使ったり作るのでは大きく変わるのです。
今までの堆肥作りよりも品質を上げたり土作りの効率が上がる事が期待できます。
なので、今回は僕が調べてみた事の理解を深めるためにアウトプットしてみたので読んでみてください。
知識は大事だね。
今まで調べて書いた記事
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発酵について調べる
今回は発酵の事をしっかり知りたかったので勉強してみました。
今までは、ただ言われた通り堆肥を作っていたので、その作り方の理由を知るべきだと思ったのです。
堆肥作りで必ず聞く言葉が「発酵」
発酵で思い浮かべる物は、堆肥、発酵食品などがありますね。
僕はヨーグルトメーカーでヨーグルトを作っているよ。
よく聞く事のある発酵という言葉ですが、僕は、発酵について、微生物が働いてくれて起こる現象としか認識していなかったのです。
堆肥を作るようになってきたので、しっかり発酵の事を理解しておいた方がいいと思い、勉強してみました。
微生物
発酵というのは微生物たちの働きで、有機物の分解を進める事をいいます。
微生物が有機物を分解することで、別の物質が出来ます。
別の物質が出来たら、また種類の違う微生物が有機物を分解して別の物質を作っていきます。
この時に、人間の役に立つものを「発酵」といい、役に立たないもの「腐敗」と言い分けるのです。
どちらも微生物が働いて起こって、発酵と腐敗の分かれ目は働かせる微生物によってかわります。
発酵を良く知るためには微生物の事を知っておいた方が良さそうだね。
微生物の種類
堆肥を作る時にはたくさんの微生物の種類の働きが必要となります。
それぞれ個性があって、この特徴を知っていると堆肥を作る時にイメージしやすいです。
代表的な微生物
・カビやキノコの仲間(糸状菌)
菌糸という細長い菌で、堆肥作りの時に最初にこの菌が増えると堆肥作りが上手くいく。
このことから、「発酵のスターター」と呼ばれる。
好気性菌が多い。
・納豆菌(枯草菌)
稲わらや枯れ草などについている細菌です。
堆肥を作る時の働きは、糖やたんぱく質をエサにする枯草菌を働かせる事で、うまく発酵が進む。
好気性菌。
・乳酸菌
糖をエサにして、乳酸などを作る細菌。
堆肥作りでは、糸状菌や枯草菌が作った糖をエサにして増える。
条件的嫌気性菌が多い。
・酵母菌
嫌気状態では、糖をエサにアルコールを作る。
好気状態では、アミノ酸や有機酸を合成する。
条件的嫌気性菌
他にもたくさんありますが、主にこのような微生物に働いてもらっています。
微生物には個性があって、食べる物も好きな環境も違うんだね。
好気性菌と嫌気性菌
微生物には酸素がないと生きていけない「好気性菌」と、酸素があると生きていけない「嫌気性菌」がいます。
嫌気性菌は、基本的には酸素は嫌いです。
だけど、酸素があっても生きていられる微生物もいます。
さらに、この中には酸素がある時は酸素が無い時と別の個性を出す、「条件的好気性菌」という微生物もいます。
堆肥作りで活躍する糸状菌、枯草菌は好気性菌で、乳酸菌や酵母菌は条件的嫌気性菌です。
堆肥を作る時には微生物の働く順番がある
堆肥作りには微生物の種類ごとに働く順番があります。
最初に働かせたいのは、糸状菌や枯草菌などの、好気性菌たちです。
有機物の中の炭水化物やタンパク質を分解して、ブドウ糖やアミノ酸に変えてくれます。
そしたら、このブドウ糖やアミノ酸を乳酸菌や酵母菌などの条件的嫌気菌が分解して、乳酸などを作ってくれるのです。
上手く堆肥を作るには、このイメージを持って作る事が大事だと思いました。
工場のベルトコンベアで役割分担作業をして製品を作っているのと似ているね。
微生物の働きやすい環境
微生物には、たくさん種類がある事がわかりましたね。
それぞれに個性があって、好きなエサや、出す排泄物、好きな環境があったりするようです。
堆肥作りには、働く順番がある事がわかったので、その菌たちの個性理解して、各菌たちが働きやすい環境を作るのが必要になってきます。
人間が出来ない有機物の分解を微生物にお願いするかわりに、人間が環境を整えてあげよう。
水分の割合
堆肥作りの時に最初に働くのは、糸状菌や枯草菌などの好気性菌です。
なので、最初はこの菌たちが働きやすい環境を作る事が必要となり、好気性菌なので酸素が必須となってきます。
酸素不足にならないように大切な事は材料の水分の割合が大切で、多すぎると通気が悪くなって好気性の菌が働けなくなってしまうのです。
そうなると、嫌気性菌が働きやすい環境になってしまい、発酵ではなく腐敗が進んでいってしまいます。
水分量の割合が大事だということです。
ここで嫌気性の菌が働く環境だと腐敗してしまうんだね。
丁度いい水分量
材料と水をまぜてちょうどいい水分量は、材料を握ってみて固まった時の状況で判断します。
握ったかたまりが手を開いた時には固まっていて、つつくと崩れるくらいがいいです。
水分量は重量比で40%くらいがよくて、水分が多い時は乾燥したものを足して、水分が少ない時は水を加えて調整してみましょう。
この水分量の40%は本によっては50%とも書いてあったりするよ。
実際に経験を積んで調節していこう。
切り返し
作っている堆肥を混ぜる作業です。
この作業はこのような効果があります。
・酸素を取り入れるため
・全体をムラなく発酵させる
・発酵の時に出る発酵熱の上がりすぎを抑える
などの役目があります。
材料を混ぜることで、酸素を取り入れるのは好気性菌の働きを良くするためには必要ですね。
混ぜる事で、ムラなく発酵をさせることができるし、発酵熱で熱が上がりすぎるのを防ぎます。
熱が上がりすぎると、微生物が上手く働かなくなってしまうので、50度くらいを目安に切り返しをするといいです。
あまり熱が上がりすぎてしまうと、肥料分の少ない良くない堆肥ができてしまいます。
切り返しの作業はいろいろな効果があるんだね。
まとめ
今回は堆肥を作る時の発酵についてを書いてみました。
発酵というのは、微生物が有機物を分解することで別の物質を作って、また他の微生物がその新たに出来た物質を分解していく事だとわかりました。
その時に、活躍してほしい微生物の気持ちを考えて、働きやすい環境を作ってあげる事が大切ですね。
基本的には、酸素と温度管理が大切なようです。
・最初に酸素が好きな糸状菌や枯草菌などの好気性菌が活躍することが大切で、その環境づくりに大切な事は水分量と切り返しが大事だと言う事。
・発酵熱で高温になりすぎてしまうと、微生物が働かなくなってしまうので切り返しをする。
と言う事をするといいですね。
今回勉強したことを考えてイメージしながら堆肥作りにをしてみようと思います。
本や人によって考え方が違ったりするので、経験を積んで他の意見も取り入れ調整していけば、良い堆肥が作れるようになるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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